相続登記が義務化されたけど、遺産分割がまとまらない…それでも過料になるの?
2025/06/15
こんにちは。弁護士の森田です。
2024年4月から「相続登記」が義務化されました。
不動産を相続した場合、原則3年以内に登記しなければなりません。
この義務に違反すると、「10万円以下の過料」を科されることがあります。
でも、実際の相続では「家族間で話し合いがまとまらない」「誰が土地や家を相続するか決まらない」「山林や田畑の扱いに困っている」等の事情で遺産分割協議がまとまらないことがよくあります。
そんな場合でも、過料が科されるのでしょうか?
遺産分割がまとまらないときの対応と過料のリスクについて、説明します。
1 相続登記の義務化とは?
これまで、相続によって不動産の所有者が変わっても、登記は「任意」でした。
そのため、長年名義変更されないままの土地や建物が増え、「誰のものか分からない不動産(所有者不明土地)」が問題になっています。
この対策として、2024年4月から「相続登記の義務化」が始まりました。
●ルールの概要
相続で不動産を取得した人は、相続開始を知ってから3年以内に登記しなければなりません。
2024年4月以前の相続も対象で、その場合は2027年4月1日までに登記しないとなりません。
登記をしないまま放置すると、10万円以下の過料が科されることがあります。
2 遺産分割協議がまとまらないと登記できない?
不動産の相続登記をするには、基本的に「誰がその不動産を相続するか」が決まっていないとなりません。
しかし実際の相続では、
相続人の間で話し合いが進まない
「あの土地は自分がもらいたい」と主張が対立する
所在不明の相続人がいて、話し合いができない
といったことがよくあります。
遺産分割協議がまとまらなければ、相続登記はできません。
3 それでも過料になるの?
ここが多くの方が不安に感じているポイントだと思います。
結論から言うと、遺産分割協議がまとまらず登記できない場合は、「正当な理由がある」とされ、過料の対象外となる可能性が高いです。
法務省も公式に以下のような例を「正当な理由」として挙げています。
⚫︎正当な理由とされる例
相続人で遺産の分け方をめぐって争っている
相続人の一部が行方不明
調停や裁判をしている途中
つまり、「登記をしたくても、できない事情」があるなら、すぐに過料になることはありません。
4 ただし「放置」はNG!
注意したいのは、協議が進まないからといって何もしないまま放っておくことです。
これでは、正当な理由とみなされない可能性があります。
話し合いの努力をしていない
相続人と連絡を取ろうとしていない
法的な手続きを何も取っていない
という状況だと、「義務違反」と判断されるおそれもあるのです。
5 登記義務を果たす別の方法:「相続人申告登記」
実は、遺産分割協議がまとまっていない場合でも、義務を果たす方法があります。
それが「相続人申告登記」という制度です。
「遺産分割はまだだけど、自分はこの不動産の相続人です」と法務局に申告する制度です。
この申告をすれば、登記義務を果たしたことになります。
必要書類も少なく、登録免許税(通常かかる手数料)もかかりません。
つまり、遺産分割が済んでいなくても、とりあえずこれだけやっておけば、過料のリスクは避けられます。
ただし、相続人申告登記をしていても、遺産分割協議がまとまり次第、あらためて相続登記を行う必要があります
6 まとめ
相続登記は義務化されましたが、遺産分割協議がまとまらない場合は「正当な理由」があると判断されることが多いです。
とはいえ、完全な放置はNGで何らかの対応をしておくことが大切です。
相続人申告登記を利用すれば、協議が終わっていなくても義務を果たせます。
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