離婚時に住宅ローンが残っている自宅はどう扱うのか?
2026/07/15
こんにちは、弁護士の森田です。
離婚を考えている方から、「住宅ローンが残っている家はどうなるのでしょうか」というご相談を受けることがあります。
住宅は夫婦にとって最も大きな財産であることが多く、住宅ローンが残っている場合には注意が必要です。
今回は、離婚時に住宅ローンが残っている自宅の扱いについて解説します。
1. まず確認すべき「名義」と「住宅ローン」
離婚時には、まず次の点を確認しましょう。
不動産の所有名義人は誰か
住宅ローンの債務者は誰か
連帯債務者や連帯保証人がいるか
現在の住宅の市場価値はいくらか
ローン残高はいくらか
不動産の名義と住宅ローンの債務者が一致しているとは限りません。
例えば、
夫の所有名義
住宅ローンの債務者も夫
妻が連帯保証人
というケースは少なくありません。
トラブルを防ぐためには、まず現在の状況を正確に把握することが重要です。
2. 自宅の価値がローン残高を上回る場合(アンダーローン)
例えば、
自宅の価値:3,000万円
住宅ローン残高:2,000万円
の場合、自宅には1,000万円の資産価値があります。
この差額部分は夫婦の共有財産として財産分与の対象になる可能性があります。
このようなケースでは、
自宅を売却して利益を分ける
一方が住み続け、他方へ代償金を支払う
といった方法が考えられます。
3. ローン残高が自宅の価値を上回る場合(オーバーローン)
例えば、
自宅の価値:2,000万円
住宅ローン残高:3,000万円
の場合、差し引きするとマイナス1,000万円になります。
この状態を「オーバーローン」といいます。
オーバーローンの場合、自宅自体には実質的な資産価値がないため、財産分与の対象にならないことがあります。
ただし、預貯金や保険など他にプラスの財産がある場合は、全体を総合的に見て、財産分与を検討することになります。
4. 売却する場合のメリットと注意点
離婚を機に自宅を売却するケースもあります。
メリットは以下のようなものがあります。
財産関係を整理しやすい
離婚後のトラブルを防げる
アンダーローンであれば、ローン負担から解放される
売却価格がローン残高を下回る場合には、不足分を一括返済しなければならないことがあります。
また、ローンが残っている状態で売却する場合は金融機関の同意が必要で、事前に相談しておかないとなりません。
売却を検討する際は、ローン残高の確認や不動産査定、金融機関への相談を早めに行うことが重要です。
5. 夫または妻が住み続ける場合
離婚後も子どもの生活環境を維持するため等の目的で、夫婦の一方が住み続けることを希望するケースがあります。
しかし、不動産の名義人、住宅ローンの債務者、ローンを支払う人、自宅に住む人が異なる状態になると、リスクが生じることがあります。
例えば、妻と子どもが住み続ける一方で、住宅ローンは債務者である夫が支払うケースでは、夫が返済を止めると住宅が競売にかけられる可能性があります。
6. 連帯保証人になっている場合は要注意
住宅ローンで配偶者が連帯保証人になっているケースでは、離婚しても保証債務はそのままです。
離婚後に元配偶者がローン返済を滞納すると、連帯保証人に対して請求されることになります。
そのため、離婚前に金融機関と相談し、保証人から外れることが可能か確認するべきですが、多くの場合、残念ながら外れることはできません。
7. まとめ
住宅ローンが残っている自宅の扱いは、
不動産の価値
ローン残高
名義
家族構成
今後の生活設計
によって最適な解決方法が異なります。
特に、オーバーローンや連帯保証人の問題がある場合には、思わぬ不利益を受けることもあります。
離婚時の住宅の扱いでお悩みの方は、早い段階で弁護士に相談し、将来のトラブルを防ぐための適切な対応を検討することをおすすめします。
水戸ひなぎく法律事務所では、離婚・相続に関する初回の法律相談は無料でお受けしています。お気軽にお問合せください。
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