支払督促が届いたらどうする?放置するとどうなる?2週間以内の対応が大切です!
2026/09/15
こんにちは。弁護士の森田です。
突然、裁判所から「支払督促」という書類が届くと、不安になる方も多いと思います。
「身に覚えがない」
「請求されている金額に納得できない」
「裁判所から来たけれど、無視しても大丈夫?」
「とりあえず支払えばいいの?」
このように悩まれるかもしれません。
しかし、支払督促を放置することは避けなければなりません。
支払督促には、一定の期間内に「督促異議」を申し立てることができる仕組みがあります。
何もしないまま手続が進むと、最終的に強制執行を受ける可能性もあります。
この記事では、支払督促が届いた場合に、まず何を確認し、どのように対応すればよいのかを、一般の方にも分かりやすく解説します。
1 支払督促とは?
支払督促とは、金銭の支払いなどを求める債権者の申立てに基づいて、裁判所書記官が相手方に支払いを命じる手続です。
通常の裁判とは異なり、原則として書類の審査によって手続が進みます。
そのため、支払督促が届いたからといって、最初から裁判所に出頭して裁判を受けるというわけではありません。
一方で、支払督促は単なる請求書や督促状とは違います。
裁判所を通じた正式な手続ですので、「よく分からないから放置する」という対応は厳禁です。
2 支払督促が届いたら、まず何を確認する?
支払督促が届いたら、慌てて支払ったり、逆に放置したりする前に、まず書類の内容を確認しましょう。
特に、次の点が重要です。
①誰から請求されているのか
請求をしている会社や個人の名前を確認してください。
以前の契約や借入れなどに関係する相手なのか、それとも全く心当たりのない相手なのかを確認します。
②何のお金を請求されているのか
請求の原因を確認します。
例えば、
借入金の返済
商品代金
サービス利用料
家賃
損害賠償金
など、何を理由として支払いを求められているのかを確認しましょう。
③請求金額はいくらなのか
元金だけでなく、遅延損害金や利息などが請求されている場合もあります。
「請求された金額が正しいのか」「すでに一部を支払っていないか」なども確認してください。
④いつまでに対応する必要があるのか
ここは特に重要です。
支払督促を受け取った場合、請求に異議があるときは、支払督促を受け取った日の翌日から2週間以内に督促異議の申立てをすることができます。
「後で確認しよう」と思っているうちに期限が過ぎてしまわないよう、まず期限を確認してください。
3 請求に納得できない場合は「督促異議」を検討する
支払督促の内容に納得できない場合には、督促異議の申立てをすることができます。
例えば、
すでに支払っている
請求金額が間違っている
契約した覚えがない
身に覚えのない請求である
消滅時効が成立していると思う
相手の主張する事実に誤りがある
といった場合です。
なお、督促異議の申立てをすると、支払督促の手続は通常の訴訟手続へ移行します。つまり、督促異議は「支払督促を取り消して、それで終わり」という手続ではありません。
その後、通常の裁判の中で、請求が認められるのかどうかが判断されることになります。
4 支払督促を放置するとどうなる?
ここが最も重要なポイントです。
支払督促を受け取った後、2週間以内に督促異議を申し立てなかった場合、債権者は、一定の手続を経て、支払督促に仮執行宣言を付けてもらうことができます。
その後、仮執行宣言付支払督促が送達されても、さらに異議を申し立てないまま期間が経過すると、支払督促は確定判決と同一の効力を持つことになります。
そうすると、債権者は強制執行の申立てをすることができます。
強制執行とは、給与や預貯金の差押え、不動産の競売です。
したがって、「請求に納得できないから無視する」という対応は非常に危険です。
請求に納得できない場合こそ、期限内に適切な対応をする必要があります。
5 「身に覚えがない」場合も放置してはいけない
「そんな借金をした覚えはない」「その会社とは契約していない」「以前に支払ったはずだ」という場合もあるでしょう。
その場合、「身に覚えがないから無視していい」わけではありません。
架空請求なのか、別の契約や取引に関する請求なのか、あるいは請求する側に何らかの誤りがあるのかを確認する必要があります。
裁判所から届いた書類に見せかけた架空請求などもありますので、届いた書類や封筒に記載された連絡先にすぐ電話するのではなく、裁判所のHPから裁判所の電話番号や住所を確認することも大切です。
6 請求に心当たりがある場合はすぐ支払えばいい?
請求に心当たりがあり、金額も正しいのであれば、支払うことで解決できる場合があります。
この場合も「裁判所から来たから、とにかくすぐ払わなければ」と焦る必要はありません。
例えば、
すでに一部を支払っている
消滅時効の問題がある
相手方との間に別の合意がある
などの場合には、対応を慎重に検討する必要があります。
特に、時効の問題が関係する場合には、支払う前に弁護士へ相談することをおすすめします。消滅時効が完成している債権について、一部でも支払ったり、支払うことを約束すると、時効の援用ができなくなってしまいます。
7 支払督促が届いたら、弁護士に相談した方がいい?
すべてのケースで弁護士への依頼が必要になるわけではありません。
しかし、次のような場合には、早めに弁護士へ相談することをおすすめします。
請求に身に覚えがない
請求金額に納得できない
すでに支払ったはずである
消滅時効が成立していると思う
相手方とトラブルになっている
督促異議を申し立てるべきか分からない
給料や預貯金を差し押さえられるのではないかと心配している
弁護士に相談する際には、支払督促そのものだけでなく、契約書、請求書、領収書、これまでの相手方とのメールや書面など、関係する資料もできるだけ用意するとよいでしょう。
8 支払督促が届いたときに大切なのは「放置しないこと」
裁判所から支払督促が届くと、不安になってしまうのは当然です。
しかし、まずは落ち着いて書類を確認してください。
そして、①誰からの請求なのか、②何のお金を請求されているのか、③請求金額はいくらか、④請求内容に心当たりがあるのか⑤督促異議の期限はいつなのかを確認しましょう。
請求に納得できない場合には、支払督促を受け取った日の翌日から2週間以内という期限を意識して、督促異議の申立てを検討する必要があります。
「よく分からないから、そのままにしておく」という対応をしてはいけません。。
9 まとめ
支払督促は、通常の請求書や督促状とは異なり、裁判所を通じた手続です。
放置すると、最終的に強制執行につながる可能性があります。
請求に異議がある場合には、督促異議を申し立てて通常の裁判手続で争うことができます。
期限を過ぎる前に、できるだけ早く弁護士へご相談ください。
支払督促は、特別送達という特別な郵便で届きます。特別送達について詳しくはこちらの記事「裁判所から届く「特別送達」とはどんなもの?」をご覧ください。
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