【多数の相続人がいる場合の遺産分割】相続分の譲渡・相続分の放棄という選択肢
2025/12/01
こんにちは。弁護士の森田です。
祖父母や親の相続手続きをしないままでいると、相続人が亡くなって次の相続が発生し(数次相続)、相続人が増えてしまうようなことがあります。
相続人が多い遺産分割では、協議や調停が難航しがちです。
相続人が多数いると、なぜ難航するのか?
相続人が増えるほど、合意形成が難しくなります。
相続人同士の関係性が薄い(会ったこともない相続人)
相続人が増えると感情的な対立も増えがち(介護や生前贈与などへの不満)
各人の意見や希望がバラバラ
このような状況では当事者同士の遺産分割協議が成立するのは困難で、家庭裁判所の遺産分割調停が必要になるケースが多くなりますが、調停もスムーズに進めるのは容易ではありません。
遺産分割調停とは?
遺産分割調停とは、家庭裁判所で中立の調停委員を交えて話し合いを行う手続きです。
調停の成立には原則として相続人全員が合意する必要があります。つまり、1人でも納得しない相続人がいれば、調停が長期化するおそれがあります。
遺産分割調停に関わりたくない相続人が取れる選択肢
中には「遺産には関心がない」「関わりたくない」「面倒だから調停に行きたくない」という相続人もいます。
そのような場合には、以下の方法が考えられます。
① 相続分の譲渡
自分の相続分を他の相続人や第三者に有償・無償で譲渡する方法です。
相続分の譲渡は書面を作成して、実印を押し、印鑑登録証明書を付けて、家裁で確認をしてもらう必要があります。
譲渡後、裁判所による排除決定を経て、その後の調停手続きには関わらないことになります。
相続分の譲渡は相続人間ですることが多いですが、譲渡する相手が第三者の場合、話し合いがさらに複雑になることもあります。
② 相続分の放棄(相続放棄とは異なる)
ここでの「相続分の放棄」は、相続人でなかったことになる「相続放棄(民法915条)」とは異なります。
相続放棄は、原則として、自分が相続人であることを知ったときから3か月以内に家庭裁判所で手続きする必要があり、最初から相続人でなかったことになる制度です。
相続放棄の期限を過ぎている場合には、「自分は遺産を受け取らない」と意思表示をする「相続分の放棄」という方法があります。
相続分の放棄は、遺産についての権利を失うだけで、義務はそのまま残ります。
相続分の放棄も書面を作成し、実印を押し、印鑑登録証明書を付けて、家裁で確認をしてもらう必要があります。
その後、裁判所で排除決定がされて、調停手続に関わらないことになります。
弁護士が関与するメリット
遺産分割調停や相続分の譲渡・放棄に関する手続きは、法律的な知識と慎重な対応が必要です。
弁護士が関わることで
相続分の譲渡や放棄の手続きが円滑・確実に進む
不利益を被らないよう事前にリスクを把握できる
手続きを弁護士が代理でおこなうので、負担が軽くなる
というようなメリットがあります。
多数の相続人が存在する相続では、利害関係の対立や感情的な衝突が生じることも増えがちです。
そのような場合に専門家である弁護士がサポートすることは非常に有効です。
まとめ
多数の相続人が関わる相続は、非常に調整が難しく、手続きが長期化しやすい傾向にあります。
その中で、相続分の譲渡・放棄といった方法を活用することで手続きに関わる相続人の数を減らして、スムーズな解決につながる場合もあります。
「たくさん相続人がいて、話を進めるのが難しい」「調停に関わりたくない」「もめごとに巻き込まれたくない」、そうしたお悩みがある方は、ぜひ一度、弁護士にご相談ください。
水戸ひなぎく法律事務所では、離婚・相続に関する初回の法律相談は無料でお受けしています。お気軽にお問合せください。
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